世界フィギュアスケート選手権

さて、最初に世界フィギュア選手権の簡単な説明。
世界フィギュアは年に1回、シーズンの最後に行われるシニアの世界大会。
オリンピックのある年だけは例外だけど、基本的には世界最強を決める格付けの大会(オリンピックの方が4年に1回の分、高く評価されている)
これを勝利した選手が「世界チャンピオン」と呼ばれる。女子シングルの場合は「女王」「世界女王」とも。
ちなみに、世界ランクを決めるために各国際大会の上位に与えられるポイントでも、全大会中最高の配点がされている。(1位に1200ポイント。グランプリファイナル優勝だと700ポイント。オリンピックも同じ得点)
一つの国の出場選手枠は最大で3*1
出場者の順位によって国の出場枠は変動する上、年によってはオリンピックの枠が決まることもあるので非常に重要な大会。
なお、日本選手では、伊藤みどり佐藤有香荒川静香の3人が過去に優勝している。日本人で2回優勝した選手はいない。



新採点方式後の順位決定方式の説明。
まず、出場者はくじで予選A・Bの2グループに分けられる。
そこでフリー規定で演技をして、各グループ上位15人ずつ。合計30人だけがSPに進める。
SPからはオリンピックと同様に、SP上位24名がFSに進むと言う方式で試合が進む。
ちなみに、この予選得点の25%はSP・FSの合計得点に加えられ、総合順位を決めるのに使われる。
つまりは「予選得点25%+SP得点+FS得点」で順位が決定される。



今回は、スルツカヤも荒川もいないので、コーエンが大本命。
予選のような大きなミスをSP・FSで連発しない限り優勝はガチだと思う。ただ、コーエンのシルバーコレクターと言うジンクスが最大の敵。
今回の予選を見て、演技構成点(以下PCS)で上位に食い込む選手がある程度絞れてくる。
演技構成点知名度や実績が大きく関わってくる、審査員の印象によるところが大きいものなので、ここでポイントを安定して稼げるかどうかは、上位に食い込むためには非常に重要。
予選の最高点は予想通りコーエンで、各要素軒並み7点台で合計59.36(各要素の合計×1.6がFSのPCS)
コレを目安に考えると、少なくともPCSで50点以上とっていない選手は厳しい。
何故なら50点を取れないと、SP・FS合計で15点程度の差がついてしまうから(SPの係数はFSの半分の0.8)
ここまでの差がついてしまうと、コーエンがミスしても追いつくのは厳しい。
つまりPCSである程度ついていける選手しか優勝争いに加われない。目安は予選PCSが50点台以上かな?(勿論、50点以下の選手でも上位のミス次第では表彰台くらいは狙えるかもしれないけどね)


予選のPCS50点越えは。
日本の村主章枝・中野由香里、アメリカのサーシャ・コーエンエミリー・ヒューズキミー・マイスナー、地元カナダの星ジョアニー・ロシェット、昨年3位のカロリーナ・コストナー
とりあえずは、この7人の争いになるでしょうね。もう少しで50点という選手もいるけど、その選手の技術要素点(以下TES)を考えれば、優勝争いという意味では無視してもいいと思うし。
まあ、個人的に言わせて貰えばエミリー・ヒューズは、今回に関しては厳しいと思いますけどね。

大本命がサーシャ・コーエン
対抗で五輪4位の村主章枝、予選トップで地元開催という強みがあるジョアニー・ロシェット
それを、勢いのある若手キミー・マイスナー、昨年3位ながら演技にムラがありすぎるカロリーナ・コストナーの10台両名が追う。エミリー・ヒューズは、その次かな?
中野由香里はPCSの伸びが悪いのは厳しいけど、完璧な演技をして予選同様TESを稼げれば上位のミス次第で優勝・表彰台も充分に見えてくる。欲を言えば、トリプルアクセルを入れて成功すれば、TESトップも狙えるかもね。
まあ、優勝争いはこの辺り。


上位争いと言う意味では、上の面子にキーラ・コルピスザンナ・ポイキオ(以上フィンランド)、サラ・マイヤー(スイス)、ミラ・リヨン(カナダ)、恩田美栄(日本)、エレーナ・ソコロワ(ロシア)、イドラ・ヘーゲルクロアチア)、エレーネ・ゲデバニシビリグルジア)を加えて注目するよろし。
しかしオリンピックの好成績で期待されていたエレーネ・ゲデバニシビリグルジア)は、予選はボロボロだったけど立て直せるのかね?
この第二群の中ではキーラ・コルピに注目。主に容姿面で。
恩田に関しては調整遅れが明らかなので、今回は無視してもいいと思いますが。



しっかし、大本命に推されているコーエンは、2回転倒という失敗を不安視するべきなのか、それとも2回も転倒しながらも予選総合5位に入った実力に脅威を覚えるべきなのか分からんね。

*1:出場人数が2人以上の場合、2人の(3人の場合上位2人)の合計順位が13位以内なら3枠、28位以内なら2枠、29位以下なら1枠。出場人数が1人以上の場合、2位以内なら3枠、10位以内なら2枠、11位以下なら1枠となる。