- 作者: 桜庭わかな,猫生いづる
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2008/11/20
- メディア: 文庫
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
創刊7ヶ月目の新刊3冊。その中の3/3。
本業・声優の作者による、初の小説・文庫。
自分に自信が無く、何をやっても続かない少女が劇団に入り、「天使」と出会うことで変わっていくハートフルストーリー。
「声優が書いたものだから、多少アレな出来でも割り引いて評価しようかな」。そう思っていた時期が私にもありました。
想像以上に面白かった。正直受賞経験の無い声優ってことで舐めてたです。
比較的書き易いであろう女性ヒロインの一人称、経験に基いてるであろう「演劇」という地に足の付いた世界観・設定など、背伸びせずに書いてるところが非常に好感が持てる。
まあ、たまに例えがぶっ飛んでいたりもしたけど、文章力は十分に許容範囲。
ネガティブ少女が躓いたりしながらも前向きに成長していく成長物語として後味爽やかだったし、「演じる」ことについて真摯に書いてる点も説得力があって良かったよ。
「演劇」という題材が好きなので、多少の贔屓目は入ってると思うけど、楽しく読めました。捻りは無いけどこういう真っ直ぐな作品も好きですわ。
「2巻出ることを想定にしてて、出るかどうかは売り上げ次第」とのことなので、是非とも売れて2巻が出て欲しいものです。読みたい。
「演劇」に関してはまだ区切りがついてない段階なので、2巻は是非とも演劇クローズアップでお願いします。