- 作者: 萩原麻里,Fuzzy
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2008/07/19
- メディア: 文庫
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創刊3ヶ月目の新刊も3冊。その中の3/3。
萩原麻里の一迅社文庫での2冊目。ただ中身は昔ホワイトハート文庫で出したものの復刊らしい。絵師とタイトルが変わった。
全寮制の高校にやってきた転校生が、その地に伝わる伝承の謎と不穏な事件に巻き込まれていく話。
……正直リリースするレーベル間違って無い?
少女レーベルからのリバイバル作品だけど、リファインした訳じゃないから少女レーベル臭さが抜けてないんですが……コレなら、一迅社文庫アイリスの方でリリースすべきじゃないかなぁ。
この作者の前作である「月明のグロースター」もそうだったけど、作中から滲み出る鬱屈したような空気感は(偏見かもしれないけど)ある種の少女レーベルで見かける雰囲気の気がするなぁ。
それでも面白ければ許せるんだけど、内容としてもあまり感心しなかった。
あらすじや出だしでサスペンスを匂わせておきながら、「謎」や「秘密」の部分を全て「ファンタジー」で説明・展開されると急速に白ける。しかもそのファンタジー的な要素が面白くない……
ラストの一捻りした展開は、インパクトと言えばインパクトなんだろうけど……話の落としどころとしては決して上手く無いよなぁ。色々と消化不良の部分が多くて、すっきりしないし。
うーん、正直何故この作品を、このレーベルで復刊させようと思ったか本気で分からないです。隠れた名作という訳でも無いし、作者が大御所という訳でもない、少年レーベル向けとは思えない作品だし、内容半端だし、そもそもアイリスがあるのに……
創刊直後の一迅社文庫の手探り(迷走)具合が良く分かる復刊作品でした。