ジューンブライド上等。 / イラスト:屡那 / MF文庫J


上等シリーズ第四弾。
シリーズ完結編。


無理矢理婚約させられそうになるヒロインを助けに行く話。
唐突に始まる書き出しから、アクションを絡めて加速していく展開はこれまでの巻までと同様。
ただ、「これまでと同じ」だと思っていると、意外などんでん返しを食らう。
上等シリーズ中最大のピンチが主人公とヒロインを襲い、ギリギリまで追い詰められる。
そういった苦しさや痛みがあるからこそ、最後のカウンターアタック」によるカタルシスが生まれる。
まさしく「反撃」で、フラストレーションを一気に晴らすスカッとした展開が心地よかった。
エピローグの主人公とヒロインのやり取りがすげー微笑ましく、二人の恋愛模様にも一応の決着が付いて全てが鮮やかな大団円。
最後まで一定上のテンションや熱さを保ちながら完走したことを高く評価したい。
文字通り、ハイテンションラブアクションの秀作。
MF文庫Jの短期シリーズ・新人作家の中では、一歩抜けた感じがする存在感を示しましたよ。次回作にも期待。