サクラサク上等！ / イラスト：屡那 / MF文庫J

サクラサク上等。 (MF文庫J)

シリーズ最終巻かな？
「ジューンブライド上等」の時に終わりだと勘違いさせられただけに「最終巻」と言われても鵜呑みに出来ない。

敵対組織との対決と決着、そして大団円へ。
サクラ上等でも言ってるように、良くも悪くもワンパターン。好きな人にとってはある種様式美のように展開だった。「焼き直し」とか「同じ展開飽きた」と言わなければ、惰性感はあるもののそれなりに読める出来ではある。
ただ、大方こちらの予想通りの展開・結末で、先がどうなるか分からないドキドキ感がなかったのは残念。
結局は、フェスティバル上等、サクラ上等の感想で言ってるように焼き直し感が最後まで足を引っ張った感じだな。
まあ、キャラ小説的な面ではゆかりさんがイカしてたので個人的に良かったよ。

シリーズを通してみると、「クリスマス上等」の鮮烈なデビューに始まり、「ジューンブライド上等」での盛り上がりが最高潮で、それ以降は惰性感が強かった。
つまらない訳じゃないけど、基本的なテンションや流れが最後まで一本調子で、長引けば長引くほど新鮮味が薄れていった。
それと、フェスティバル上等で新展開への入り方としては悪くなかったのに、サクラ上等・サクラサク上等で同じような内容を繰り返してしまったのも焼き直し感を強くさせる悪因だったかな。
総合的にはテンション高く一気に読める好シリーズだっただけに、エトセトラ上等以降に伸び悩んでブレイク仕切れなかったのが残念だ。
まあ、デビューシリーズとしては上々だったので、作者の次シリーズに期待しよう。