鋼の国の魔法戦士―魔法戦士リウイ ファーラムの剣 / イラスト:横田守 / 富士見ファンタジア文庫


リウイのファイナルシリーズの……四作目くらいか?
まあ、どうでもいいや(その程度にしか思ってないらしい)


ヴァンのアイテムを探す合間に、プリシス陥落後のロドーリルに関わっていく話。
薄い、ペライ、つまらない、という近年の水野良の基本を踏襲した1冊でした。
多少肉付けをしただけのプロットを読ませられているような描写の薄っぺらさと、展開の異常な早さ、世界の運命を握るはずの物語がこんなに薄っぺらく駆け足で描かれていいものなのか。
更には無駄に増えたレギュラー女性陣の存在感の無さが酷い。今回に関しては本当にいる意味が無し。
ストーリーも早過ぎる展開のせいでドラマ性が失われているし、リウイが「国家の命運」に関わっていく流れはコレまで何度も繰り返されてきたことの焼き直し。
……あー、どうしよう。本当に褒めるようなところが無い。
昔の水野良ファンだっただけに、近年の著作の惨状は見てて痛ましく悲しい。
この本に価値があるとすれば、これまでソードワールドブラックボックスの一つだった「ロドーリル」という国家の中枢に関する描写されてる事か。ソードワールドTRPGを遊んでいたものとしては、コレまで謎に包まれていた国家の設定が開示されることにはちょっとした感慨がある。
ま、小説としては数あるソードワールドノベルの中でも不出来な作品であることは間違いないけど、ソードワールドTRPGの補助資料的な価値くらいはあるってことかな。