全日本選手権終了・オリンピック代表決定


全日本選手権のポイントを加算した、オリンピック選考ポイントの最終結果は以下の通り。


  昨季 GP1戦目 GP2戦目 GPファイナル 全日本選手権 合計
安藤 665点 550 450 650 350 2215
村主 700点 300 550 出場出来ず 600 2150
荒川 560点 500 500 出場出来ず 500 2060
中野 343点 500 600 700 400 2043
恩田 564点 500 500 出場出来ず 450 2014
浅田 501点 550 600 800 550 2451

安藤は、予想通りこけたこともあり一気にポイントを詰められたものの、選考ポイントで無難に逃げ切る。
まあ、今の日本の選手勢を見回す限り、安藤に勝てる選手が7人もいるはずが無い訳で。シニアレベルだとアベレージが足りない選手が多いので、ジュニア勢の奮起に期待。
しっかし、今年のFSのプログラムがまともに成功したところ見てない気がするなぁ。ロシアカップの時も、3連続コンビネーションやサルコーで減点食らうような演技してるし。
この安定感の無さは何とかならないものか。
うーん、正直「マイファニーバレンタイン」みたいなスローテンポを演じるには早すぎたような気もするんだよなぁ。難しいプログラムだと思うし……うーむ、厳しいところだ。


そして、村主が衝撃の追い込みを見せて、他の候補をごぼう抜き。正直驚いた。
ジャンプの難度はそれほど高くないものの、やっぱりGOEや演技構成点の争いになると強い
今回の全体的に甘目のジャッジに助けられた面があるとはいえ、FSはほぼ完璧な演技だったし、素直に賞賛したいかな。
しかし、怪我明けだというのに、ここまで復調してくるとは。さすが最年長。


そして、荒川は無念の3位とはいえ、オリンピック選考ポイントでは安藤・村主に次ぐ3位に滑り込む。
SPに比べて、チグハグなところが出てしまい、ムラッ気が出てしまった印象。
細かいミスも目立ったし、3Loが2Loになるような痛いミスもあったことは残念。この3Loを成功するだけでも、基礎点で+3.5になってたし、それに加えて細かいミスの積み重ねで予想以上に技術点が伸び悩んだことが敗戦の理由かな。
天才肌の選手らしく、こういうムラッ気は割とあるんだけど、それでも演技・構成点で7点後半から8点台の高得点を連発できるところがこの選手の強さだよなぁ。
ムラッ気があるものの、悪い時は悪いなりに点数を纏め上げるところが安藤とは違うところか。隙の無い実力は賞賛したい。


中野に関しては、まあ、あんなものかな。
今回の甘目のジャッジならもう少し点が伸びてもおかしくないとは思いましたけど、最初のトリプルアクセルが3回転として判定されてるか分からないからなぁ。
まあ、元々パーソナルベストが高くない選手だから、周りが自滅したようなGPシリーズ・GPファイナルとかならともかく、周りに大きなミスが無いような試合になると力負けするよなぁ。
要素の基礎点の関係で伸びしろという点では厳しいし、演技構成点の水準は「何とか世界とやっていけるかな?」ってレベル。
しかし、中野は完全に一皮向けたって感じやね。名実共にトップグループの仲間入りって感じか。
バンクーバーまでに基礎力の向上と、各要素のレベルアップが望まれる次第であります。



恩田は……あの技術点にはビビッタ。何アレ。
元々典型的なジャンパーで、安定したジャンプ技術には定評のある選手だったけど、ジャンプ以外の要素でそんなに高い点数を貰えたのか?
うーん、それともよっぽどGOE加点が大きかったとかかなぁ……ここまで加点される要素あったか?
ああ、早くスコアの詳細が見たい。はよ公開しろ日本スケート連盟


浅田は、トリプルアクセル2回おめ。それに関しては凄すぎて言葉も無いですわ
後は、ジャンプで3-3-3とか、3-3-2とかを組み込んでくれれば、ジャンパーとしては世界最強だと思う。
しかし、恩田と比較した時の技術点の差はオーバーターンによるコンビネーション不発なのか、GOEなのか、それともスピン・ステップのレベルなのか?
ああ、早くスコアを(略)
しかし、技術点に比べて、演技・構成点がイマイチだったなぁ。
やっぱりこの方面では、まだまだベテラン勢には引けを取るか。
まあ、バンクーバーまで時間もあるし、まだまだ成長を期待できる。頑張って欲しいものですわ。


とりあえず、国内戦特有の採点の甘さ以外はミスも少なく楽しい大会でした。







一方で、オリンピック代表も決定。安藤美姫村主章枝荒川静香の3人。
ポイント上位に日本の世界ランク上位3人入ったこともあり、ポイント順に決定。
圧倒的に実績で劣る中野や、国際戦での実績がイマイチな恩田がポイント上位に入ってたら少しは選考が揉めたかもしれないけど、実績通りに上位が決まったんでスンナリ決まった。
浅田が出れないことを考えると、オリンピックでメダルを狙うには現時点で最高のメンバー構成って感じかな。
恩田は実績的に頼りないし、中野ではパーソナルベストで物足りない。
国際戦での実績やアベレージを考えると、体調が万全なら表彰台を狙えそうな楽しそうな面子だ。
しかし、怪我明けの村主の方は復調してきたというのに、ここにきて安藤の方がグダグダ感が漂う。オリンピック本番までにFSプログラムの熟成をお願いしたいところです_| ̄|○



しかし、荒川が入ってよかった。
現日本の女子フィギュア選手の中では一番好きな選手なだけに、8年ぶりの五輪出場は涙が出てくる。
もっと要素点を高目に構成して、金メダルを目指して欲しいものです。
いやはや、何はともあれ今回の五輪代表の選考結果には満足です。