幻想症候群 / 著:西村悠 / 絵:鍋島テツヒロ / 一迅社文庫

幻想症候群 (一迅社文庫 に 2-1)

幻想症候群 (一迅社文庫 に 2-1)


創刊3ヶ月目の新刊も3冊。その中の1/3。
電撃文庫で「二四〇九階の彼女」シリーズ2冊だけ出してる駆け出し作家の新作。本作が一迅社文庫デビュー作。


罹患者の幻想が現実世界を侵食する、という奇妙な病気にまつわる話のエトセトラ。
「幻想症候群」という病気にまつわる話を集めた短編集。何か電撃文庫で刊行されそうなタイプの短編集だった。
う、うーん、短編1つ1つ見るとそう悪いものじゃないんだけど、全体を通してみると散漫な印象。
連作短編じゃない上、各話の関連性が薄かったり、一貫したテーマ性を感じなかったりで、一続きの短編集としての完成度はイマイチかなぁ。
統一感の無さで各短編の間に相乗効果が生まれず、ただ漫然とムラのある短編を読ませるだけになってしまってるのが残念。
全体としての雰囲気は結構好きだったので、次作に期待したいところ。まだキャリアが浅い分成長してくれると思いたい。