シゴフミ―Stories of Last Letter / イラスト:ポコ / 電撃文庫

シゴフミ―Stories of Last Letter (電撃文庫)

シゴフミ―Stories of Last Letter (電撃文庫)


雨宮さんの新シリーズ。
何だか不自然なほど早くアニメ化が決まったところなんぞに大人の事情を感じます。


死者の手紙を届ける配達員とそれに纏わる人々の「死後文」の物語。
中編一編と短編複数で構成される連作短編集で、端的に表すとポエム分を控えめにした「しにがみのバラッド。
うーん、どうなんだろうね。この作品。
話自体は苦しみ・悩み・悲しみなどの感情表現はそこそこに書けてるし、ある程度まとまっている。一つの短編で隠されていた事実が、後に収録された短編で明かされたりする構成も面白い。
出来はそれなりに悪くないし、単品としてみればそこそこ楽しめる。
ただ、絶望的なまでの二番煎じ感が強過ぎる。
電撃でよくある「雰囲気(切ない)系連作短編」という形式もさることながら、キャラの立ち位置・性格などが狙ってるとしか思えないほど「しにがみのバラッド。」に類似し過ぎてる。
そのため悪い意味で新作と言う感じがしない。
しにがみのバラッド。」未読者なら問題ないとは思いますが、既に「しにがみ」の方を何冊か読んでいる身にしてみれば、新味が無く、ちょっと退屈かもね。
2巻の発売も決まったし、これから独自色を発揮できるかが勝負の作品。