pulp I / イラスト:隼優紀  / ファミ通文庫

pulp I (ファミ通文庫)

pulp I (ファミ通文庫)


森橋ビンゴの新シリーズ。三巻で完結予定らしい。


リストカッターの少女が、襲われたところを助けてくれた少年に一目惚れをして「裏側」に巻き込まれていく話。
主にリスカ少女の視点から語られる訳ですが、ダウナーなテンションで語られるのは正直重苦しい。
いや、これ以上に暗い話や、重い話は幾らでもあるし、そういった作品を読んでて感じる「痛さ」は好きなんですよ。
でも、この作品を読んでいて感じるのは単なる倦怠感だけ。
「青い鳥」を求めるように少年に深入りしていく少女に共感が持てないので、読んでいて感じるものがない。
超自然的な要素をギリギリまで排除してある割には、地に足がついてない「裏の世界」の話もリアリティに欠けて面白くなかったし、読んでるのが結構辛かった。
うーん、まあ、作品としてはある程度まとまっているので、この作品に関しては好き好きなのかなぁ?
まあ、前作のような穏やかな雰囲気の青春小説の方がこの作者の作風にはあってる感じはしますけどね。
私はとりあえず2巻以降は中古待ちの方向で。