陰陽師は式神を使わない 陰陽道馬神流初伝・入門篇 / イラスト:藤城陽 / SD文庫

陰陽師は式神を使わない (集英社スーパーダッシュ文庫)

陰陽師は式神を使わない (集英社スーパーダッシュ文庫)


究極のウンチクライトノベル。


陰陽師の少年が、同級生に陰陽道に関するウンチクを語るだけの話。
いや、マジでそれだけ。
何というか、殺人事件の起こらない「QED」って感じです。ただ、「QED」にはストーリーに関わってくる確固として歴史観と中心となるテーマがあったのに比べて、こっちは陰陽師ウンチク・トリビアをただ単に書き綴ってるという印象があるかな。
陰陽師が本当はどのようなものだったか」「歴史にどう関わってきたのか」みたいな歴史的な部分は面白かったけど、具体的で本格的な占いの方法を説明する部分にはまったく興味がもてなかった。そんな細かに語られても実践する気なんて毛頭無いし
序盤の、小さなセクションに分かれてる辺りの感覚は、富士見のコレクションシリーズに似たものがあって少し楽しかっただけに、後半部分の展開が悔やまれる。


しかし、面白かったというと……うーん。
雑学本ならもうちょっと読み易い・調べやすい構成にした方がいいと思うし、小説にしたいならもうちょっと物語性を入れた方がいいと思う。
前者の成功例が富士見コレクションシリーズで、後者は「QED」かな。
入門篇と言うぐらいだから、売れたら続編が出るんだろうけど……続きが出ても買うかどうか。