タクティカル・ジャッジメント SS4 / イラスト:緋呂河とも / 富士見ミステリー文庫


短編・長編を合わせると、もしかして富士見ミステリ最長シリーズになってないかな?
とりあえず、短編集の第四弾。


相変わらずの学級裁判をやったりしつつ、山鹿が民事裁判を受け持たなくなった理由などが語られる話。
コミカル路線はいつも通りだけど、真犯人が分からないで判決がくだされるという本当の裁判ならよくある(ただしフィクションだと逆に少ない)終わらせ方をしたり、民事裁判をしっかり取り上げたりと、新しい切り口が随所に見える意欲作に仕上がってる。
ここ最近の短編集の中では最も気に入った。
特に日本の民事裁判の欠点をリアルな例で皮肉るところなんかは、身近な話題で実に良かったよ。
法律番組が増えて以降良く言われることだけど、こうして見ると日本の民事は動脈硬化を起こしてしまってる部分が多いよなぁ、としみじみ。