タクティカル・ジャッジメント〈9〉被告人・山鹿善行 (富士見ミステリー文庫)
- 作者: 師走トオル,緋呂河とも
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
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人気シリーズも9作目。後書きや帯を信用するなら第一部完。
漫画とかなら打ち切りフラグな「第一部完」ですが、一応富士ミスでは売れてる方なシリーズなんでそんなことは無く、主人公を変えて二部を始める構想があるらしい。
まあ、一度は「民事裁判をやる」と言っておきながら、全力でほらを吹いた作者なんで話半分で聞くことにしますが。
容疑者になった主人公が自分で自分を弁護する話。
あー、いかにも長期シリーズが陥り易いグダグダにはまってる感じ。
仮にも「裁判小説」ならば、勝負に白黒つけるのは法廷でして欲しいというのが正直なところ。
無実を証明するのに、法律や法律の抜け道やレトリックを駆使するんじゃなくて、法廷以外の場所での力技を使うってのが気に食わない。
それでも妥当性があればいいんだけど、かなり強引な展開になってしまっており、かなり苦しかった。
「逆転裁判」じゃないけど、この手の作品はピンチに陥った主人公が、僅かな手掛かりから「法廷で反撃」するところにカタルシスがある訳で、その法廷シーンを軽視されると結構萎える。
まあ、マンネリ巻は大分前からあったので、ここで主人公変更によるテコ入れはありかなと思いましたよ。
ただ、第一部完にするなら、せめて善行と雪奈の関係に一段落つけて欲しかったですけどね。