仇敵撃破―エクスプローラー〈4〉 / イラスト：石田アキラ / 富士見ミステリー文庫

仇敵撃破―エクスプローラー〈4〉 (富士見ミステリー文庫)

新人賞受賞シリーズも4冊目。
これで「第一部完」らしいけど、それって打ち切りってことじゃないかと邪推してみる。

いなくなった響を探す透・薫が姉妹喧嘩（違）に巻き込まれて大変なことに！な話。
あー、結局最後まで尻すぼみなシリーズだったという印象は拭えなかった。面白くない。
状況が込み入りすぎている上に、各人の行動が行き当たりばったりな上、思惑に整合性や妥当性に欠けているし、相変わらず物語の展開力に欠ける。
グダグダした状況の内容を読んでるうちにウンザリしてきて、主要人物たちのピンチにも「フーン」という冷めた感情して持てなくなってしまっていた。
結局は「特殊能力と考えることで、武力や組織力を持つ敵を出し抜く」という切り口で話を作るには、作者の引き出しが少なすぎた印象。
1巻では多少なりともその切り口で物語を作れていたのに、2巻以降はワンパターンと無理矢理な展開が続いていってしまった。「頭を使う駆け引き」は書くのが難しい、というのを身をもって体現してくれた感じ。
まあ、個人的にもウンザリしてきたところなんで、ここら辺で終わってくれるのは正直有難いかなぁ。このままダラダラと続かれると最後まで付き合う前に読むのやめてしまいそうだし。
うーん、同時期の受賞作の中ではSHI-NOの次くらいに期待していただけに、ちょっと期待外れだった。残念。