- 作者: 七飯宏隆,巳島ヒロシ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2005/02
- メディア: 文庫
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第11回電撃小説大賞大賞受賞作。
1次通過時から「少女禁猟区・世界で最後の1人+8」という非常にインパクトだけはあるタイトル(旧題)で妙に印象に残ってた作品。
その時はまさか大賞まで受賞するとは思わなかったけど、何かの縁と思い受賞作発表時点で既に購入することは決めていた。
まあ、あとがき曰く作者自身は旧題を黒歴史にしたいようですがね。
内容はあらすじから推測出来る展開から大きく外れる事は無い。
「ルカ」によるストーリーの加速という部分は、展開に変化を付けるという意味でも面白かったけど、それ以外の部分は特別目立つものではない。
展開もキャラクターも筆致も、こじんまりとまとまってしまってる印象。
大賞受賞作の割に優等生過ぎるし、物語として小粒な感は否めないかな。
ページ数の割に中身のボリューム感に欠けるし、読後感があっさりし過ぎてる。
それに複数のキャラクターがいるのに対して、特定のキャラに焦点をあてるということをしてない分、キャラの掘り下げが甘くなって若干ピンぼけしてるような。
うーん、「家族の話」としてみれば特定の誰かをメインに据えないことは構成上正しいのかもしれないけど、そのせいで物語に力強さが足りない気がする。
終末の世界というアイディア自体は嫌いじゃないだけに、もう一押しが欲しかったところ。
穴が少なくて話としてはまとまっているとは思うけど、色々な部分で小粒すぎるだけに個人的にコレが大賞というのも微妙な気がする……
嫌いじゃないけど、そんなに面白く感じることもなかったし。
ただプロが見て光るところがあったからこその大賞のはずなので、次の作品に期待してみたいところ。