2009年上半期ライトノベルサイト杯 投票


2009年上半期ライトノベルサイト杯 に投票します。
2009年8月6日付までに読んだ冊数は、リストに載ってる分だと新規部門で149冊/325冊(45.85%)、既存で172冊/584冊(29.45%)。
合計で321冊/909冊(35.31%)。
パーセンテージ的には、新規部門はリストの半分を目指せるくらい、既存部門はリストの1/4オーバー、全体だとリストの1/3以上は読んでる計算。。
リストに載ってない美少女文庫とか角川文庫の作品とかもあるけど、その辺は計算にいれるのメンドイ。
投票対象作品だけで300冊オーバーは頑張ったんじゃないかと自画自賛





既存部門

サッカーボーイズ 再会のグラウンド / 著:はらだみずき / 角川文庫
サッカーボーイズ13歳―雨上がりのグラウンド / 著:はらだみずき / 角川文庫
【09上期ラノベ投票/既存/9784043899036】

サッカーボーイズ 再会のグラウンド (角川文庫)

サッカーボーイズ 再会のグラウンド (角川文庫)

サッカーボーイズ 13歳  雨上がりのグラウンド (角川文庫)

サッカーボーイズ 13歳 雨上がりのグラウンド (角川文庫)


以前に別出版社から出たものを、角川文庫で復刊したものだから既存部門扱い。
レーベル的には一般小説だけど、ライトノベル読みとの親和性は高いと思われる。
ラブ分は少なく、清々しいまでの「スポーツ少年の小説」と言うべき作品に仕上がっている。
思春期の少年の挫折や成長が、サッカーを通じて鮮やかに描かれている。
ライトノベルやスポ魂のありがちの派手な演出やあざとい展開は少なく、一般文芸らしい落ち着いた筆致で描かれている。
少年達のサッカーへの思いや、思春期の不安定さがじんわりと染み込んでくるようで素晴らしかった。


今期のスポーツラノベでは「ロウきゅーぶ」が人気だろうけど私はこっちを取るぜ。

秋期限定栗きんとん事件 (上) / 著:米澤穂信 / 絵:片山若子 / 創元推理文庫
秋期限定栗きんとん事件 (下) / 著:米澤穂信 / 絵:片山若子 / 創元推理文庫
【09上期ラノベ投票/既存/9784488451066】

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)


最近の読書傾向はすっかり「自称」や「元」が付くミステリ読みですが、一応ミステリ好きとしてはこの辺りに投票しておこうかな、と。
創元推理文庫だと、他に投票したいような作品がイマイチ見当たらなかったんで。「さよならの次にくる」は投票までには至らなかった。
ただ、得票数が部門トップなんで投票するのかかなり迷った。


しかしながら、これまで様々なアニメ、ゲーム、漫画における悪役が口にしてきた「たわいもない」という上から目線の台詞。
その台詞を、(言い方は変形してるけど)ここまでの貫録で言い放つことの出来るキャラクターは滅多にいないと断言できる。
「格が違う」。その言葉の意味をただただ思い知らされました。
そのことに敬意を表して投票。

SHI-NO -シノ- 君の笑顔 / 著:上月雨音 / 絵:東条さかな / 富士見ミステリー文庫
【09上期ラノベ投票/既存/9784829164150】

SHI-NO-シノ-  君の笑顔 (富士見ミステリー文庫)

SHI-NO-シノ- 君の笑顔 (富士見ミステリー文庫)


完結記念。
正直終盤の展開やミステリ的な要素は決して手放しで褒められるものではなかった。
ただ、ラストのイラストに象徴される「志乃ちゃんとぼくの物語」の終わり方としては最高の着地点を見せたのではないだろうか。
志乃ちゃんが一筋縄ではいかない女の子であるように、二人の関係も簡単なものではなかった。
ただ、いっぱい悩んで、いっぱい頑張って、いっぱい遠回りもして、その結果として二人の微妙な距離感が未来に続く形に納まり、二人がちゃんと一緒に生きていける結末に辿り着けたことが、1人の読者として凄く嬉しかった。

鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五幕 / 著:八薙玉造 / 絵:瀬之本久史 / スーパーダッシュ文庫
【09上期ラノベ投票/既存/9784086304863】


もういっちょ完結記念。
「グレンがウザイ。ただひたすらにウザイ。死ね」ということ以外は好きなシリーズでした。
1巻である程度まとまってしまっていた物語を、2巻以降で立て直し最終巻である5巻で最高のテンションになるように持ってきた手腕を賞賛したい。
時に突き落とすような展開や、予想以上に過酷な展開を見せながら、決して鬱っぽくならないある種の「熱」を持つ作品だった。

ガンパレード・マーチ 九州奪還5 / 著:榊涼介 / 絵:きむらじゅんこ / 電撃ゲーム文庫
ガンパレード・マーチ 九州奪還0 萩幽霊戦線 / 著:榊涼介 / 絵:きむらじゅんこ / 電撃ゲーム文庫
【09上期ラノベ投票/既存/9784048676380】

ガンパレード・マーチ 九州奪還〈5〉 (電撃文庫)

ガンパレード・マーチ 九州奪還〈5〉 (電撃文庫)


また完結記念。
正直、今期におけるこのシリーズは九州奪還の最終巻である5巻はラストバトルでイマイチ盛り上がらなかったり、明らかな九州奪還編ファーストエピソードである0巻を完結後にリリースするという刊行スケジュールの悪さなど、今までとは違い即決で投票を決めた訳ではない。
(0巻は雑誌連載分だから刊行が遅れたっていうのはあるんだろうけど、正直この刊行タイミングは苦笑いしか浮かばない)
ただ、ずっと応援してきたシリーズだし、ゲーム版ストーリーから離れた小説オリジナルエピソードを、山口防衛線からの長丁場でキッチリ完結させたことは、素直に賞賛したい。
ゲームノベライズとしての一つの到達点であると言える。
出来れば更なる続編が読みたいけど、ゲーム文庫も死に気味だし、無理なのかなぁ。

くじびき勇者さま 9番札 誰が大元帥よ!? / 著:清水文化 / 絵:牛木義隆 / HJ文庫
くじびき勇者さま 10番札 誰が神の御使いよ!? / 著:清水文化 / 絵:牛木義隆 / HJ文庫
【09上期ラノベ投票/既存/9784894258846】


「技術」「学問」におけるウンチク小説が、いつの間にか「超スピードで異様な技術革新しまくりな世界における、兵器的チート戦記」に化学変化。
基本的に戦記物やサクセスストーリーは好きだし、「主人公が有能」という作品が好みなんで最近このシリーズが何気に楽しみです。
得票数も少ないみたいだし推しておこうかな、と。


結果的には6作品に投票。
ただ「サッカーボーイズ」は復刊本のため個人的には脳内新規部門扱い。だから私脳内では新規5既存5
新規分に比べると、得票数が多い少ないはそこまで気にしなかった。
ただ、今期は有力作品の完結が多かったためか、「完結記念」で入れるのもちょっと一苦労で、悪くない終わり方をした好きなシリーズに投票できないという難しいことも多かった。
以下、投票の候補作と、投票に至らなかった理由とか。


スクランブル・ウィザード3」はラストシーンのインパクトは凄かったけど、如何せん期間内1冊なのが残念だった。
聖剣の刀鍛冶シリーズは期間内3冊に加えて、セシリーとルークの間のラブ度上昇など非常に好感度の期間でしたが、対ヴァルバニル・対帝国に関してはまだまだ佳境に入ってないのでちょっと様子見。
とらドラは長すぎず、いい引き際だったけど、最後の終わり方だけはアニメ版にひけを取ってしまったのが残念。
BLACK BLOOD BROTHERSは面白かったし、余韻がある終わり方も良かった。ただラストバトルがイマイチ盛り上がり切らずやや肩透かし感があったことを否定できないので投票は敬遠。Dクラという前例があったためか期待度が高過ぎたための不運。
ミスマルカ興国物語はゼンラーマンが最高だったけど、投票するとナウシカさんに申し訳ないので。それとやっぱりこういう「目的の物を1冊で1つずつ収集する」という展開だと期間内1冊は厳しい。
世界平和は一家団欒のあとに」「ベン・トー3」辺りも安定感あるけど、上の方で何回も言ってるようにやっぱ期間内1冊は不利だよね。


そんな感じ。
 





新規部門

植物図鑑 / 著:有川浩 / 角川書店
【09上期ラノベ投票/新規/9784048739481】

植物図鑑

植物図鑑


有川浩らしい、ただ甘な恋愛小説。
正直、恋愛模様的にはさほど特筆するものはありません。二人がくっつくまでの展開には面白みが少ない。
ただ、作中のキーとなっている「植物(野草)」が非常に面白いスパイスになっている。
自分が知ってる植物、知ってるけど名前を知らなかった植物、全く知らない植物、色々と出てくるけどそれが料理や雑学などを通して色んな「顔」を見せることに凄くワクワクした。
昔、昆虫図鑑とかを読んで楽しんでいた頃のような好奇心を刺激された。そんなズルイ作品。

楽園まで / 著:張間ミカ / 絵:友風子 / トクマ・ノベルズEdge
【09上期ラノベ投票/新規/9784198508142】

楽園まで (トクマ・ノベルズEdge)

楽園まで (トクマ・ノベルズEdge)


「面白いか?」と言われると、素直に首を縦に振れないところのある作品ではある。
ただ、雪が降り続ける世界が舞台になっているだけあって、作品全体を通して見られる「真っ白」なイメージが酷く心に残る作品ではあった。
媚びず、卑屈にもならず、差別や「自分たちを否定する社会」に対して真っ直ぐに立つ主人公の姿が誇り高い。
神様なんていないだろうし、「楽園」なんてものは幻想なのかもしれない。
でも、いつかきっと彼女達が小さな幸せを感じながら暮らせる「楽園」と呼べるような場所に辿り着けることを信じてる。


「面白い」というより「何か心に残った」作品。
まあ、投票前の滑り込みで読んだので、印象に残りやすかったというのはあったかもね。

剣の女王と烙印の仔 I / 著:杉井光 / 絵:夕仁 / MF文庫J
【09上期ラノベ投票/新規/9784840127554】

剣の女王と烙印の仔〈1〉 (MF文庫J)

剣の女王と烙印の仔〈1〉 (MF文庫J)


杉井光枠。
いや冗談じゃなく2006年下半期の投票からずっと杉井作品に投票し続けるので、その流れがあることを否定しない。
つまらなくはないけど、特別目立つ面白さがあった訳でもない。
まだまだコレからって段階で終わってるので、応援枠ということで一つ。

スイート☆ライン / 著:有沢まみず / 絵:如月水 / 電撃文庫
【09上期ラノベ投票/新規/9784048678155】

スイート☆ライン (電撃文庫)

スイート☆ライン (電撃文庫)


思ったより票数伸びてなかったから何となく入れてみる。
「声優」との恋愛というモチーフが好きなのと、主人公をはじめとする登場人物に好感が持てる点を評価。
他人を「応援」する主人公が一本芯が通っていて好感度が高いし、仄かな恋心を芽生えさせた女の子たちの姿がなんか可愛かった。
まあ、物語的にはまだまだ始まったばかりだし、内容としても主人公と永遠の仲が深まるまでのエピソードが足りなかった気がするなど、欠点が無くもない。
とりあえず、票数がそこまで伸びてないことと、今後の期待値を込めてってことで。


今回の新規部門は正直迷った。
面白かった作品、好きになった作品は多かったので、投票候補を挙げるのは困らなかったものの、イマイチ決め手に欠けたせいか絞り切れなかった。
結局は票数を集めてる作品は敬遠して、地味目な作品を優先して、残ったものの中から最終的にインスピレーションで選んでしまった感じ。
正直スイート☆ライン」辺りと以下の投票候補とはあんまり差は無いです。その日の気分次第では下の作品を選んでたかも。
結果的に4作品になってしまった理由は、既存部門の「サッカーボーイズ」が個人的には脳内新規扱いだから。
以下、投票の候補作と、投票に至らなかった理由とか。


川原礫作品と電波女と青春男」「ロウきゅーぶ!」「鳥は星形の庭におりる」「サクラダリセット」「這いよれ! ニャル子さん」「ペンギン・サマー」「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!辺りは得票数の多さから敬遠。
「放課後の世界征服」はサクセスストーリー好きとしてはキュンキュンしたけど、メインヒロイン(主人公意中の女の子)がどうも好きになれなかったから却下。
魔法少女を忘れない」はタイトルの綺麗さなどをはじめとして好きだったけど、あともう一つくらいストーリー的にパンチが欲しかった。
「やむなく覚醒!! 邪神大沼はコミカルで好きだったけど、もうちょっとインパクトが欲しかったかも。
「ビスケット・フランケンシュタイン日日日作品の一つの到達点だった気がする完成度だったけど、ある種の「日日日臭さ」が抜き切れず、「これまでの延長線としての到達点」だったため新鮮味に欠けたためイマイチ投票する気になれなかった。
蒼穹のカルマはシリアスとみせかけてギャグ小説というインパクトはあったけど、2巻の某キャラがウザかったんで。
「純愛を探せ!」は面白いには面白いけど、1巻でまとまり過ぎてしまった感がある。
「四方世界の王」はすげーいいところで止まってしまったのが残念。予定通り6巻まで出てれば投票したんじゃないでしょうかね。


以上。