ハーフボイルド・ワンダーガール / 著:早狩武志 / 絵:バーニア600 / 一迅社文庫

ハーフボイルド・ワンダーガール (一迅社文庫)

ハーフボイルド・ワンダーガール (一迅社文庫)


創刊5ヶ月目の新刊3冊。その中の3/3。
ゲームのシナリオライター出身。自身の担当したゲームのノベライズ以外では初のオリジナル小説。


好意を持っていた幼馴染に「(妊娠の)責任とって」と言われた主人公が身の潔白を証明するため探偵少女と調査に乗り出す話。
一応、ミステリ……というより探偵小説寄りかなぁ。
とりあえず、幼馴染の少女がビッチ過ぎる。何この自己中女
いや、このビッチっぷりは擁護は無理だろ。「子供のため」とか「愛」なんていう綺麗事補正をかけても、私はこの幼馴染女を肯定する気は無いですわ。下手に清純派を気取っている分性質が悪い。
主人公の人の良さと好意と恋心に付け込んで、自分と「男」のことだけを考えて主人公を踏みにじった。
ラストで一見綺麗にまとめたように見えるけど、この幼馴染女は自分の行為に対する報いを受けるべきだったと思うよ。もっと傷付くべきだった。因果応報が大好きな私としてはさ。
なーんか、釈然としないものが終わり方だった。


幼馴染のビッチを差し引いても考えても……あーうん、駄目だわコレ。ミステリとしては評価できない
「謎」と「解決」が余りにもしょぼ過ぎる。くだらない。大半の人が序盤で事件の大体の真相を掴めるんじゃないかねコレ。
幾ら薄目とは言え、長編でやるスケールの話じゃなかった。
短編集の中の1本としてなら何とかギリギリで妥協するレベルの内容(それでも酷いけど)
最終的に「聞き込み」で真相が判明するという、推理力ガン無視の展開はある意味斬新と言えるかもしれないね。つまらなかったけど
正直、ミステリ好きを自認する身としてこの作品を評価するつもりはありません。ライトノベルを舐めてるのかと思ったよ


唯一、評価できるのは探偵役とワトソン役のキャラ造形にある程度の好感が持てることくらいか。
少年の青臭さと、探偵少女の淡い好意を滲ませるところなんかは悪くない。
この二人を主体に、ちゃんとした内容のミステリを書いてくれるなら次も読んでみてもいいかもね。怖いもの観たさ半分で。