ドラマチック・ドラマー遊月 / 著:四辻たかお / 絵:中野友和 / 一迅社文庫

ドラマチック・ドラマー遊月 (一迅社文庫)

ドラマチック・ドラマー遊月 (一迅社文庫)


創刊5ヶ月目の新刊3冊。その中の2/3。
調べた限りでは、作者はアニメの演出・脚本などで活動したりしてる人(監督もやってたみたい)
今回の一迅社文庫で小説家・文庫本デビュー。


天才ドラマーの遊月が母親のために、演奏する仲間を集める話。
一章ごとに一人仲間が増えていくというフォーマットになっているんですが、1話に1人ずつ仲間が増えていくアニメを見てるような印象。先入観もあるんだろうけど、何かアニメの脚本を並べているような構成だよね。
まあ、その構成自体はまあいいとしても、話としてはすげーワンパターン
毎回、遊月の情熱と才能にほだされるか、超執事の万能パワーで何でも解決!みたいな展開ばかりで正直萎える。執事のフォローが的確で万全過ぎる。
困難があっても躓くことなく、裏で陰謀が渦巻いてると思わせて肩透かしでは、盛り上がるはずもなく、起伏に欠ける
予想通りのストーリーがトントン拍子に進んでいくだけなので、ドラマ性が無く平板な内容になってしまっているかな。
音楽物の小説は好物だけど、正直この内容では好きになれない。
そもそも、出てくる楽器が特殊なものが多いせいで、最も盛り上がるべき演奏シーンに上手く入っていけなかったのも辛い。
描写はともかく、特殊過ぎる楽器編成のせいで、演奏になっても「音」が想像出来ない。これって音楽ものとしては弱点過ぎるんじゃなかろうか。
素直に一般的なバンド編成にするなり、管楽器みたいな吹奏楽でなじみあるような楽器を出しとけばよかったのに。
重要な場面で変化し過ぎる変化球を投げて暴投みたいな感じでした。