ANGEL+DIVE 1. STARFAKE / 著:十文字青 / 絵:青稀シン / 一迅社文庫

ANGEL+DIVE〈1〉STARFAKE (一迅社文庫)

ANGEL+DIVE〈1〉STARFAKE (一迅社文庫)


一迅社文庫デビューラインナップ7作品その1。
スニーカー文庫で好評刊行中(枕詞)の「薔薇のマリア」の作者。
薔薇のマリア」が長期シリーズ化してるせいで、これが作者にとっては「薔薇のマリア」以外では、初めての別シリーズ。


言葉の裏を読めない素直な少年・夏彦が、偶然出会って居なくなったトワコという少女を、仲間と一緒に探す話。
創刊ラインナップの中ではダントツの400弱というページ数を誇りながら、なんとも半端に終わる。タイトルの「1.」は伊達じゃない(伊達であって欲しかった)
端的に言えば登場人物紹介編で、主要登場人物の紹介エピソード以外だと、やってることは本当に「トワコを探す」だけの内容。
トワコの秘密・謎、仲間の秘密・謎、「敵」の正体とか魔術云々とか、その辺の設定に関してはまったく触れられないまま「次巻へ続く」。
キャラの作り方とか文章自体は丁寧だけど、正直ここまであからさまに続巻前提だと単品で評価できないなぁ。
「エピローグ」はそれなりにインパクトがあって、「え、どういうこと?」と思わせるものはあったけど、それだけだった。
次巻で化けることを期待したいが。はてさて。
まあ、他人のいいように扱われて、どこまでも受動的な主人公にイライラしてしまったため、ネガティブな評価になってしまったことは否定しない。主人公を好きになれない作品は辛い。




余談だけど、私はあらすじを読んでから読み始めるタイプなんで、こういう「あらすじの内容までなかなか話が進まない」タイプの小説は苦手だなぁ。
どうしても「そこまでの展開はあらすじで分かってるんだから、さっさと進んでくれ」と思ってカッタルク感じてしまう。
amazonの評価は割と高目だけど、何か「薔薇のマリア」ファンが延長線で高得点付けてる気がするんだよなぁ。