パコと魔法の絵本

仕事帰りにフラッと行ってきました。
映画館で入場時間まで待っていると、周りの子供たちがポニョポニョポニョポニョと合唱し始め洗脳されそうでした
最終的な入場者は私含めて8人。
……思えばこの映画館で観る時、10人以上になった記憶が無い……大丈夫かワーナーマイカル



嫌われ松子の一生」「下妻物語」で好評を得た中島哲也監督の新作。
とある病院を舞台に、嫌われ者の大貫と1日で記憶が消える少女パコとの交流・絵本に纏わる話を中心に描かれる物語。
内容自体は、予告編でストーリーの大筋が予想できるものでした。
展開も想像通りでしたし、結末も意外性には欠ける。


だが、それでも面白かった―――


上でも言ったように割とベタな展開でしたが、ラストの雰囲気にはやはりベタなりに感じ入るものがあったし、そもそもそんなところで評価するような作品じゃないんですよ。
細かいアラなら沢山ありますが、そんなことは瑣末事
この作品って、原作が舞台作品ということもあり、まさしく舞台演劇の延長線を地で行くような映画作品なんですよ。
役者のオーバーアクション気味の演技、コミカルで軽妙なやり取り、たまに見られるスポットのような照明の使い方、すげー作り物めいた舞台道具とか、芝居の付け方とか映像の作り方とか一々舞台演劇を思い出させる。
それが妙にツボにハマル。子供会とか演劇部の知り合いとの縁で舞台・演劇を見てた頃の思い出が刺激される。
こりゃあ、(原作を知らない)舞台演劇好きにはたまらない作品じゃないかなぁ。
更に、元々作り者めいた衣装と舞台道具と、舞台では実現できないCGアニメ・画面効果との融合されて、素晴らしくカオスな映像に仕上がってて、おもちゃ箱みたいで楽しい。


役者に関しては、特殊メイクを施した役所広司の演技が素敵だった。外見はまったく別人なのに、味のある演技の端々に役所さんを感じさた。
それと、アヤカ・ウィルソンが可愛かったなぁ。別にロリ趣味とかないけど、実に愛らしかった。変な方向に成長しないことを祈るばかりです。
助演の中では、土屋アンナの演技が印象深い。怖い演技、真剣な演技、ぶりっこ演技の使い分けがちょっと面白かった。
まあ、細かい演技力云々に関しては、オーバー演技なこの作品で語ることじゃないですよね。



そんなこんなで、頭空っぽにして見ると、非常に楽しい映像作品。
役所の特殊メイクとアヤカ・ウィルソンの可愛さを目的に見に行った私には、予想以上に満足出来る内容でした。
「舞台演劇」が好きな人や、舞台演劇を観て感動した経験のある人には是非ともオススメしたい作品。、
とりあえず、フルプライス1800円で見に行けとまでは言わないけど、レイトショーで見に行くくらいの価値は充分にある作品だと思いましたとさ。




あー、見終わった後に作中で出てきた「飛び出す絵本」が欲しくなったけど、もう絶賛売り切れ中だよ。チクショウめ。
オークションで2倍以上、9000円前後か……再販されれば定価で買うんだけどなぁ。


パコと魔法の絵本 ガマ王子対ザリガニ魔人

パコと魔法の絵本 ガマ王子対ザリガニ魔人