- 作者: 来楽零,さくや朔日
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2008/01/10
- メディア: 文庫
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第12回電撃小説大賞金賞受賞作家の新作。
「哀しみキメラ」は合わないせいで、途中で読むのを辞めたので久々に読みます。
奇妙な「ロミオとジュリエット」の台本を演じることになった部員たちの恋愛感情が乱される話。
一風代わった恋愛小説として、実に良い出来でした。
この作者は本当に端整で完成度の高い文章を書くなぁ、というのが印象。
小気味良いやり取りや、物語の転がし方も非常に上手い。
この手の「演劇」を舞台にして小説だと、本番に至るまでが重視されて、本番はあっさり終わる傾向にあるけど、コレは練習から本番に至るまで様々な波乱に溢れていて、最後まで飽きることなく読めました。
カタルシスやインパクトには欠けるけど、ライトノベルらしい発想の元で描かれた「上手い恋愛小説」のお手本みたいな作品。ラストシーンの余韻がいいなぁ。