ミステリクロノ / 著：久住四季 / 絵：甘塩コメコ / 電撃文庫

ミステリクロノ (電撃文庫)

デビュー作であるトリックスターズを実に上手く完結させた久住四季の新シリーズ。
イラストも前作から引き続き、甘塩コメコさんとのコンビ。

「時間を操る」クロノグラフというアイテムを回収しようとする元天使の少女に協力する話。
うーん、面白いといえば面白いし、無難にまとまってるとは思うけどイマイチこじんまりとした話だった。
前作（トリックスターズ）の1巻が、毒々しいまでのアクの強さだったのに比べると、新シリーズの1作目としてはインパクトに欠ける。
クロノグラフというアイテムを上手くミステリに落とし込んでいる点は評価に値するけど、真相に意外性が乏しいのが辛い。
癇癪を起こしてばっかりのマリアといい、各登場人物のキャラクターもまだ手探りという感じだったし、「とりあえず無難に新シリーズが始まりました」という印象しか残らなかった。
まあ、トリックスターズでも低調な巻があったことだし、今後に期待してもいいと思いますけどね。
希少な電撃のミステリだから特に期待したいところ。