銀盤カレイドスコープ Vol.7 リリカル・プログラム / イラスト:鈴平ひろ / スーパーダッシュ文庫


ラノベ界唯一のフィギュアスケート小説の最終章スタート。
桜野タズサ視点によるバンクーバー五輪編。


バンクーバー五輪に向けて、新コーチの元でハード過ぎるトレーニングをしながら苦悩する話。
いや、コレは最高に面白かった
バンクーバー五輪へ向かっての前振りに当たる巻なんですが、単なる繋ぎのエピソードで終わるんじゃなくて、ハードなトレーニングに弱音を吐きかけたり、「最強の女王」へ挑むことに悩んだり、苦しんだり、自分自身の心理に絶望したりする様子が、力強い筆致によって描かれてて震えが来た
ラス前の「繋ぎ」のエピソードは、「状況を作る」ことに振り回されて忙しなくなってしまい、登場人物も「動かされてる」感が強くなってしまうケースが多くなってしまうものだけど、その欠点がほとんど無かったのが素晴らしい。
圧倒的な内面描写が、登場人物に命とエネルギーを与えているよ。
まさしくクライマックスへ向けて、盛り上げる最高の序章でした。
次巻がラストの予定らしいけど、なるべく長くこの作品を読み続けたいですね。


あー、ちなみに、世間で話題になってた百合風味の描写に関しては割とどーでもよく。
この作品はスポコン小説として読んでるから、パヤパヤなんてしらねーよ。夏