銀盤カレイドスコープ vol.7 リリカル・プログラム:Be in love with your miracle (銀盤カレイドスコープ) (スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 海原零,鈴平ひろ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/06/23
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (67件) を見る
ラノベ界唯一のフィギュアスケート小説の最終章スタート。
桜野タズサ視点によるバンクーバー五輪編。
バンクーバー五輪に向けて、新コーチの元でハード過ぎるトレーニングをしながら苦悩する話。
いや、コレは最高に面白かった。
バンクーバー五輪へ向かっての前振りに当たる巻なんですが、単なる繋ぎのエピソードで終わるんじゃなくて、ハードなトレーニングに弱音を吐きかけたり、「最強の女王」へ挑むことに悩んだり、苦しんだり、自分自身の心理に絶望したりする様子が、力強い筆致によって描かれてて震えが来た。
ラス前の「繋ぎ」のエピソードは、「状況を作る」ことに振り回されて忙しなくなってしまい、登場人物も「動かされてる」感が強くなってしまうケースが多くなってしまうものだけど、その欠点がほとんど無かったのが素晴らしい。
圧倒的な内面描写が、登場人物に命とエネルギーを与えているよ。
まさしくクライマックスへ向けて、盛り上げる最高の序章でした。
次巻がラストの予定らしいけど、なるべく長くこの作品を読み続けたいですね。
あー、ちなみに、世間で話題になってた百合風味の描写に関しては割とどーでもよく。
この作品はスポコン小説として読んでるから、パヤパヤなんてしらねーよ。夏。