かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜 / イラスト:桂遊生丸 / 電撃文庫


同名コミック・アニメのノベライズ。
メディアミックス企画の一環なのかな?


突然女の子になってしまった主人公を中心に展開される女の子だけの三角関係のお話。
プロローグやエピローグを除けば大きく4章に分けられており、それぞれの章で「はずむ→やすな→とまり→はずむ」という具合に視点が変わる珍しい構成になっている。
そして、展開は女の子になったはずむに対して、やすなが積極的なアプローチを仕掛けるところを見ると、漫画版に準拠してるのかな?
さて、結論から言ってしまうと、正直面白くなかった
登場人物の視点から描くことで、内面描写を深めようと言う狙いがあったのかもしれないけど、この作品に関しては単に物語の進行をカッタルイものになってしまっていた。
映像媒体では絵の雰囲気で伝えられるものが、ダラダラ語られることで間延びしてるし、登場人物が悩んだり考えたりする様子にも深みを感じない。何か上っ面だけを取り繕ってる印象を受ける。
更には、他媒体では随所に組み込まれてる「笑い」や「コミカル」な部分もバッサリ切られてる点も大きな減点材料。
結局、文章と構成のせいでこの手の小説に必要な「適度な軽さ」や「読み易さ」を殺してるし、かといって青春小説的なアプローチが出来てる訳でもない。
ストーリーも三角関係成立したところで終わってるので、やや中途半端な印象を受けた。
小説単体として見ると誉められた出来ではない上、アニメや漫画版の長所を切られている時点でノベライズとしても出来のいいものじゃない。
まあ、典型的な「特にチェックする必要の無いメディアミックス企画のノベライズ」って感じかな。