- 作者: 加藤聡,緋呂河とも
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/01
- メディア: 文庫
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親に押し付けられた借金を自転車レースで返そうとする少年のお話。
斬新な題材を、しっかりとした作品に仕上げてるところは評価できる。
自転車やレースに関する知識や説明なども不足なく入ってるし、話の展開も堅実。
ただ、肝心のレースシーンがあんまり面白くない。
主人公の淡々とした態度のせいか温度が低く、駆け引きが少ないため、「勝負」としての面白みに欠ける。
出来が悪い訳じゃないけど、話的に盛り上がらない。
それと、主人公の「走る」ということに対する想いが伝わってこないことも気になった。ウダウダ悩んでいたのは結局なんだったのか。
恋愛がらみのことや父親云々に関しても完全に投げっぱなしだったし、随所で配慮に欠ける面が見受けられる。
結局「アイディアはいいんだけど、それを生かしきれてない作品」の典型って感じ。惜しい作品だ。