- 作者: 片山憲太郎,山本ヤマト
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/12/20
- メディア: 文庫
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「電波的な彼女」シリーズが好評な著者による新作。
揉め事処理屋の少年と大財閥の令嬢(幼女)の関係を軸に描かれる、小さな「恋」のお話。
「電波的な彼女」と世界観を同じくしており、両方読んでるとニヤニヤ出来るようなキーワードが随所に見られるのはちょっと好みだ。
ただ、世界観がリンクしてる割に「電波的〜」ではギリギリ踏み止まっていた「超自然的要素」の一線をあっさりと越えてるところがちょっと印象深い。
クロスオーバーものとはいえ、向こうは「ミステリっぽいサスペンス」で、こっちは「伝奇風アクション」として割り切って読めってことなのかね。
とりあえず、「伝奇風アクション」として、それなりに面白い作品になっている。
テンポ良くサクサク進んでいくし、中弛み無く、最後までしっかりと読ませる力は充分にある。
ただ、逆にそのテンポの良さが仇になって、苦悩の克服や窮地からの脱却という部分を軽く描き過ぎた感がある。
うじうじ悩めとまでは言わないけど、もうちょっとそこら辺は煮詰めた方がいいと思う。
まあ、考えて苦悩して落ち込むのは、「電波的な彼女」の方に任せておけってことかもしれませんがね。
サクッと読む分には、ラブコメ伝奇アクションとしてそれなりに楽しめましたし。
何にせよ、紫以外のヒロインとの関係を中心とした話も読んでみたいと思った。銀子とか。
しかし、コレって時間軸的には何時頃の話なんでしょうね?
セクハラ女子大生の教え子として光の名前が出てくた辺りの文章を読む限り、光はまだまだ年少っぽい印象を受けるから「電波的な彼女」から数年前くらいなのかな?
クロスオーバーものだと、やっぱりこういう部分がちょっと気になりますよね。