シリーズものの2巻。
1巻目を読んでつまらないと思いながら、2巻目も読んでいる自分に乾杯。

あー、うん、仁木さんらしい作品だわ。本当に。
結構な量の設定をぶち込む割に、表面だけの奥行きや深さのない世界観とか、不可思議な展開とカッタルイ描写、「狙ってる」ヒロインの造形、いちいち考えすぎて話を停滞させる主人公など。
ぶっちゃけ、いつもどおり順調に面白くなかった。つまらない。
結局この作者の小説って「マテリアル・クライシス」もそうだけど、正直イラストとヒロイン役の「あざとい」可愛さくらいしか見所が無い訳で。
それだったら、それなりに「分かり易い」キャラ小説を書いて欲しいと言うのが本音。
キャラ小説的な材料は揃ってるのに、過設定と悪展開によるテンポの悪さがキャラ小説的な楽しさを阻害してるという印象を受ける。
話の密度を軽く作るべきタイプの作品なのに、いい意味での「軽さ」が足りない。


ただ、シリーズの2作目としては、主人公達の立ち位置(立場・地位・権力等)を掘り下げて、多少は読み易くなった。
しかし、1作目を超える盛り上がりの無いトンデモ展開は何とかならないものか……話の展開が下手すぎる。
それと、主人公が幼稚な理由で悩むのも個人的に好きじゃない。
このくらいの年齢の主人公なら、まっすくに突っ走ってくれた方が好感がもてる。
あー、もう、これ以上書いても文句ばっかりになりそうだから略。


一度、短編集辺りの形で、松永心(マテリアル・クライシス)やアイリーンのキャラ萌え小説を読んでみたいものだ。
イラストレーターには恵まれてるんだし、この人なら下手にシリアスな話をするより、そっちの方が向いてると思うんですけどね。
しかし、毎回この作者の作品を「面白い」と思わないでボロクソに言う癖に、新刊はチェックするのな自分。
ラノベに取ってイラストは重要だと思いましたとさ。