School Heart's 月と花火と約束と / 著:伏見つかさ、他3人 / 絵:樋上いたる、他3人  / 一迅社文庫


創刊4ヶ月目の新刊も3冊。その中の3/3。
一迅社文庫初の共著。
mana原作のドラマCDを元にした、オリジナルストーリー。ドラマCDの前日談(?)みたいな小説本。
作者は伏見つかさみかづき紅月、内田竜宮丞、魁の4人。
みかづき紅月、魁は既に一迅社文庫デビュー済み。伏見つかさ電撃文庫以外では初の著作で、これが一迅社文庫デビュー(共著だけど)
内田竜宮丞という人は良く知らなかったけど、ゲームのシナリオライターで、書籍では月姫リトバスのアンソロ小説で書いてるようです。単独での出版物は無しで、無論コレが一迅社文庫デビュー。


とある学校に通う生徒達の様々な恋愛模様を描いたラブコメ
短編ごとに視点キャラや恋愛模様が異なるオムニバスといった構成。
中身は正直茶番のような内容でした。
恋愛がらみの生徒のドタバタ劇みたいな内容ですが、ドラマCDが「本編」なのか、全ての恋愛事情に決着が付かないまま終わるため中途半端な印象を受ける。
文章はそこまで極端に変わる訳じゃないけどやっぱり複数作者の弊害として作者ごとに雰囲気が変わっており、より登場人物がコロコロ変わるので、合う話と合わない話の差が激しいかな(例えば私は伏見さんの話は、主人公とヒロインの掛け合い夫婦漫才のおかげで割と楽しめた。他は微妙な話がチラホラと)
ただ、上でも書いてる通り、恋愛模様に決着の付かない、ギャルゲーに例えるなら「プロローグ」で終わってしまってる感じなので、全体としては評価出来ない。「物語」としては致命的。
そもそも、余り知名度の無いドラマCDとコラボする必要があったのかね?
固定ファンがいるとも思えないし、宣伝になるとも思えないんだけど……


個人的に一番面白かったのは、樋上いたるが妹、有子瑶一が姉を描いた姉妹のギャップ。
口絵のキャラ紹介でヒロイン役が並んでいるんだけど、この姉妹髪の色以外似てねぇ。
この2キャラが並ぶと目の大きさが歴然に違うのが分かる。根本的なタッチが違うんだよね……
幾ら妹が「子供っぽい」という設定でも、この違いは作品世界が違うとしか。