白銀のローレシアン 〜願う少女と迷い糸〜 / 著:上原りょう / 絵:okiura / 一迅社文庫

白銀のローレシアン ~願う少女と迷い糸~ (一迅社文庫)

白銀のローレシアン ~願う少女と迷い糸~ (一迅社文庫)


創刊5ヶ月目の新刊3冊。その中の1/3。
(年内はコレの書き出しでいきます。楽だから)
美少女文庫「ハーレムものの書き手」として認知されてる上原りょうの、ライトノベルデビュー作。
「巫女巫女ハーレム」での1対7の8Pハーレムには驚愕させて頂きました。人多過ぎ


人の因果、運命を司る「糸」を操る能力に目覚めた主人公が、生徒会長の下僕になって謎の少女ローレシアンを守るように命じられることから始まる話。
設定・キャラクターともに割とベタな現代異能バトルもの。なんか電撃文庫でやりそうな内容でした。
正直インパクトや目新しさは無かったものの、内容自体は結構良かった。よく書けている。
キャラクターも生き生き書けているし、展開も手堅く、何より設定の使い方が上手かった。
「糸」の能力を「人との繋がり」のメタファーとして、作品のテーマに昇華させているのが素晴らしい。
ぶれること無い一貫した展開の中で、テーマを描ききってるところは、素直に称賛したいところ。
ライトノベルデビュー作品ながら、成年向けで巻数を重ねてきた実績は伊達じゃなかったのかもね。完成度が高い。
ここまで堅い出来の作品は一迅社文庫では逆に珍しいかもね。
ただ、上でも書いてる通り、完成度は高いけど作り自体はオーソドックスなもので、新鮮味やカタルシスは無いのでそこは注意。
楽しめたには楽しめたし、このジャンルが好きなら安定して楽しめると思うけど、特別にプッシュしたくなるような作品ではないかな。例えばライトノベルサイト杯とかの投票で投票するかと言われれば首を捻る。
新人らしからぬ落ち着いた作品だけど、新人ならではの荒々しいパワーには欠けるんだよね。