神様とゲーム ハレ/クモリ/アメ/ニジ / イラスト:七草 / 角川スニーカー文庫

神様とゲーム ハレ/クモリ/アメ/ニジ (角川スニーカー文庫)

神様とゲーム ハレ/クモリ/アメ/ニジ (角川スニーカー文庫)


神様ゲーム」シリーズ初の短編集。
買った後に、「と」が入ってることに気付いた。



推理ゲームとかバレンタインデーとかでドタバタする短編が複数。
ミステリファンとして、「推理ゲーム」の話をちょっとだけ期待してたんだけど、案の定裏切られた感じ。
状況・目的などの諸条件が判然としないまま「推理ゲーム」が始まるので、本格としての楽しみは無いし、物語の進行も行き当たりばったりに感じてしまう。解決もやっぱりグダグダ。
ミステリファンとしてはガッカリです。
ただ、短編のおかげか「多加良の説教」はあまり多くなく、分かり易い説得だったのでその点は長編よりも評価したい。「多加良の説教」の説得力を考えると短編の小さな説得をするくらいが丁度いい。
それと、バレンタインエピソードは美名人の奮闘する乙女な部分を見れてちょっと楽しかった。終わり方はションボリだったけど、鈴木が絡んだ時点でああいうくだらない終わり方になるのは想定内だったし、ある意味納得ずく。
まあ、下手に込み入ってる長編よりは、全体的に読みやすかったし好感が持てたかな。
……とは言うものの、あくまで長編との比較であって、絶対評価で面白いと言えるかというと難しいところですけどね。
あくまでキャラ小説としてみれば、そこそこ読める短編集だったことは否定しないけど、それもこのシリーズを否定的な評価していない読者限定だよなぁ。