ソードギャラクシー 風、天を駈けよ / イラスト:バハムーチョ / 富士見ファンタジア文庫

風、天を駈けよ―ソードギャラクシー (富士見ファンタジア文庫)

風、天を駈けよ―ソードギャラクシー (富士見ファンタジア文庫)


野望円舞曲」や「双星記」の荻野目さんによるファンタジア文庫デビュー作。


数百年の眠りから覚めたはっちゃけ侍が、星間国家の争いに首を突っ込み場を荒らす話。
いわゆる馬鹿小説だったけど、あまりいい馬鹿小説じゃなかった。面白い馬鹿さじゃなかった。
素直に帝国の捕虜になった地球人と侍が、帝国で過ごす日々の話にしておけば良かったのに、不必要に二転三転する物語に段々と辟易してきた。
ある程度まとまったプロット・設定に、余計な要素・明後日の方向に飛んでいく展開を付け加えるのは相変わらずの荻野目さん作品と言う感じでしたよ。
スーパーファンタジー文庫辺りの初期荻野目作品以外の作品は、毎回「余計な設定付加や物語展開をせずに、素直なストーリーにすればいいのに」という同じ感想を持ってる気がするよ(「双星記」「野望円舞曲」他)
そもそも、侍の過剰な適応力が異常というか不自然だし、行動指針がよく分からない。バトルジャンキーならそれでもいいと思うんですが、言動や行動に一貫性を感じないんだよなぁ。
物語の都合で「事件を起こすために」暴れてるようにしか感じない。キャラ造形に妥当性が無い。
読む前にある程度予想したようなすっ飛び具合の作品でしたよ。ションボリ。
荻野目さんはある意味期待を裏切らない。