死神とチョコレートパフェ / イラスト:夜野みるら / 富士見ファンタジア文庫

死神とチョコレート・パフェ (富士見ファンタジア文庫)

死神とチョコレート・パフェ (富士見ファンタジア文庫)


第18回ファンタジア大賞<準入選>受賞作品。


イレギュラーで生き返ってしまった主人公の魂を奪おうと、任務に失敗するとチョコパフェにされる死神がやってくる話。
今回の受賞3作品の中では、唯一伏線を残した終わり方で、続編前提と言う印象を受ける作品。
コミカルなタイトル通り、ハイテンションコメディ。
ストーリーはともかくとして、軽快な会話とやり取りは読んでいて楽しい。「会話ベースのコメディ要素」を持つところなんかは最近だと「マテリアル・ゴースト」に近いタイプの作品かな。
フォークやスプーンやスコップなどのネタは、ビジュアルを想像すると笑える。
ただ、死神の秘密とかはある程度予想できてしまう点などは意外性に欠けていたり、主人公が妙に運動神経が良すぎたりと気になる点は多い。物語性は決して高く評価できない。
ただまあ、やり取りが楽しいキャラ小説として見ればそれなりに読める作品。
他の受賞作が優等生的な切り口なので、こういうタイプの作品が目立つだけなのかもしれませんがね。


同日発売の受賞3作品の中ではこの作品が一番好きかも。
ただ、他人にお薦めするほど普遍的な面白さがある訳ではないので、客観的に高い評価をしてる訳ではないですがね。
まあ、個人的にこういう小説は割と好き。