黒き河を往け / イラスト:堤利一郎 / ZIGZAG NOVELS

黒き河を往け (ジグザグノベルズ)

黒き河を往け (ジグザグノベルズ)


新人作家のデビュー作なのかな?
個人的には、ZIGZAG NOVELSを読むのは2冊目。


19世紀末のロンドンを舞台に、不思議な力を使う探偵が事件に関わっていくミステリ風ライトノベル
うーん、正直キャラが弱い
「凸凹探偵コンビ」という煽り文を付けてあるライトノベル寄りのミステリ風作品で、この主要キャラの弱さは割と辛い。
やる気の無い受動的な生き方で、何ら哲学や考えを持ってる訳じゃない主人公などに好感が持てる訳は無く、口喧しい割にしっかりものという訳ではなく余計なことをやらかす幼女とか、どこに魅力を感じればいいのだろう……
事件の捜査も頭を使うより、「まず術式ありき」という感じで事件に介入→真相が垣間見える、という構成で余り芸が無い。更に事件の真相に驚きや魅力が欠けるのは、こういったミステリ風の作品としては致命的。
そもそも、連作短編と言う構成なのに一貫したテーマや事件やメインストーリーが無いというのは、デビュー1作目としてどうなんだろうかね。
作中で何回か触れていた「離婚」に関わるエピソードがラストに来ると思っていたら、まるっきりスルーされて終わってしまったし。
コレはアレですか、続編前提ですか?
続編出せるかわかんねーんだから、1作目で全力投球してくださいよ。
うーん、読んでる最中もまったく面白く感じず、読み終わっても切りのいいラストとは言えず、中途半端感だけが残った。
新規の少数刊行レーベルでこういった作品が続くようだと、そのうち幻のレーベルになってしまうかもね。