紅牙のルビーウルフ3 西の春嵐 / イラスト:椎名優  / 富士見ファンタジア文庫


新人賞受賞作のシリーズ3作目。


とある伯爵の元を訪れた際に巻き込まれる陰謀劇。
1巻に比べて2巻が薄かったのが記憶に残ってるんですが、今回は更に薄くなっていた
水野良辺りの御大にしか許されないと思っていた200ページ前半の領域に突入。新人作家に甘過ぎじゃないのか?
案の定、内容に関してはページ数に比例して薄っぺらくなっている。薄くて読み易いと言えば読み易いけどさぁ……
そもそも自国の基盤・内政を固めるような話は、もうちょっと早い時期にやるべきだったんじゃないかね。
1巻の時点で、ルビーウルフが余りにもすんなり即位出来たことが疑問だっただけに、その時スルーしてた「盗賊だった少女が即位することへの自国貴族の反発」というネタを、2巻で他国の政争に首を突っ込んだ後にやるのは正直どうなのかなぁ。
今更自国の反女王派貴族の陰謀を描かれても、1、2巻に比べてスケールがた落ちという印象の方が強く残る。
うーん、好意的に考えれば、ルビーウルフの自国での立場・どのように思われてるかの一面を提示しながら、ジェイドとの絆の深さを再確認する、という話だったんだろうけど……相変わらず「国」や「政治」を描くのが上手くないのが辛いところ。
とりあえず椎名優さんのイラスト補正で、いつまで買い続けるのやら……