イリスの虹 II ミス・ミステイク / イラスト:平野克幸  / 電撃文庫

イリスの虹〈2〉ミス・ミステイク (電撃文庫)

イリスの虹〈2〉ミス・ミステイク (電撃文庫)


シリーズ2巻目。


占い少女が巻き込まれ、利用されて引き起こされる大規模な「災害」のお話。
初々しいラブコメモードが微笑ましくて楽しい反面、1巻同様に結構イタイところのある話でしたよ。
痛い部分を内包しながらも暗い話に陥らず、「前向き」な作品に仕上がっているのがこの作者さんの味ですね。
自己犠牲的な正義の味方を「守る」主人公の優しさが、ともすればヘタレに陥りそうな主人公を何とかキャラ立ちさせて、いい感じ。
一方で話自体は急激に風呂敷を広げすぎてしまった感じがする。
一つの町や市くらいならともかく、(言い方は悪いけど)ヤラレ役の敵が引き起こす災害としては大規模過ぎる印象
「災害」の波及する範囲が広過ぎてちょっとピンとこなかったし、中学生の少女に背負わせるものが重過ぎるんじゃないかなぁ。
いや、「好きな男の子に支えてもらえば大丈夫」で何とかなる罪悪感なのかね。コレ。
しかし、占い少女の話と入洲・主人公の話が同時進行してる割に、両者があまり絡んでこなかったことに変化球を食らった気分でしたよ。


ところで、この作品と「ディフェンソル」が同時期に発売されたせいか、最近「戦うヒロイン」と「直接戦闘力の無い(低い)主人公」という構図の作品がやたらと多いように感じるなぁ。電撃でも「シャナ」や「シャドウテイカー」がパッと思いつくし。
基本的に、「強い」主人公が好きな私としては、足手まといになったり、守られるような主人公はいまいち好きになれない(「心の強さ」とかそういうのはさておき)
ん〜、流行なんだから仕方ないと言ってしまえばそれまで何ですが、ちゃんとした「戦う男の子」が見たいものです。