配達あかずきん / ミステリ・フロンティア

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)


久々にミステリ・フロンティアを新品で買ってみた。
(おそらく)業界でも唯一の書店ミステリ。本屋さん謎話


奇妙な言葉が残されたメモから書店員が読み取るメッセージとは、入院患者に本を薦めていた人を探す短編など、書店を舞台にした様々な短編を集めた日常系ミステリ。
「パンダ」というキーワードや「お薦めの本」として出てくる名作本の話など、本屋好きとしては思わず頷いてしまうようなシーンが随所にあり、本好きには堪らない1冊。
ミステリ要素も捻り過ぎておらず、素直で丁寧な整合性・論理性で実によくまとまっている。
それに恋愛要素や本屋としての真摯な姿勢が絡んでくる人情話も、安定して書けていた。
ミステリとして強烈な面白さ・凄さ・どんでん返しなどは無いけど、安心して読めて、ホッとする様な良質日常系ミステリ
本好き・本屋好きとしてこの作品は評価しないわけにはいかないでしょう。うん。
あ、ただ最後の本屋店員による座談会はいらないかなぁ。妙に分量多い割に、大方の部分は単なる仕事の愚痴や内輪話でしたし。
有名作家との対談とかならともかく、(有名大型書店とは言え)単なる書店員を呼んでやるような内容ではなかったですね。


とりあえず「暴れん坊本屋さん(コミック)」などに代表される「本屋の話・内情・愚痴ネタ」が好きな人なら読んでも損はしない気がする。
何にせよ、続編の予定が出てたので次巻が楽しみだ。