- 作者: 黒田研二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/06
- メディア: 新書
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第16回メフィスト賞受賞作。
コレで第1回〜21回までは読了で、未読は20回台から30回台だけになった。
結婚式の予定日に花嫁がレイプされたり、諸々の不可解な謎をつきつけられる話。
「サチコ」の視点と「ユウ君」の視点が交互に入れ替わる形式のミステリで、仕掛け自体は割と早めに見当がついたものの、伏線の張り方や整合の取り方自体は悪くない。
「意味のある複数視点」構成というベタな構成ながらそれなりに安定したクオリティとは言えるけど、正統派過ぎてミステリ読みにとってはちょっと物足りなさを感じるかな。
ただ、「サチコ」がレイプされたり「突如として訪れる理不尽な仕打ち」を基幹とする気分の悪くなる展開が続くのが、あまり好きになれなかった。終わり方はともかく、途中までの展開がすげー胸糞が悪くなる。
完全に第三者のような立場にいる「名探偵」に比べれば、自身が巻き込まれた事件なだけに登場人物たちの行動動機や切実さは心情的に理解できるものになってるんだけど、その生臭さが妙に鼻についた。
「殺人小説」を嗜好しておいてなんですが、官能小説でもない小説でおおっぴらに「レイプ」が出てくる小説はあんまり好きになれんなぁ。
うーん、あまり突出したところのない模範的なミステリ小説だったから、こういった単純な好き嫌いの問題で「合わない」作品になってしまった感じ。
レイプ要素が気にならない人なら、ごく普通のミステリとして読めるかと思いますが。