神様ゲーム カミハダレニイノルベキ (角川スニーカー文庫)

神様ゲーム カミハダレニイノルベキ (角川スニーカー文庫)


第8回角川学園小説大賞奨励賞受賞者のデビュー作。
ただし、作品自体は第6回角川学園小説大賞最終選考作品のリライトというややこしいデビュー


発想自体は悪くないし、そこそこ読める作品にはなってる。
登場人物のキャラ造形は割と好きだし、メリハリもついてる。
ただ「神様探し」に関しては序盤の方の論理的に考える部分は良かったんだけど、途中から行き当たりばったりになって結構ガッカリだった。
「花摘み」の各種エピソードは、アッサリなりに悪くなかっただけにちょっと残念。
後は、主人公の「説教」がイマイチ心に響かないのが一番辛い部分かな。
クサイ台詞を吐くなら、中身にもうちょっと説得力とかレトリックとか、読者を納得させるだけのものが無いと駄目なんじゃないかなぁ。
言い方が悪いけど、熱い台詞が滑ってるように感じた


正直そんなに面白い訳じゃなかったし、デビュー作としては印象に乏しいのが辛いところ。
ただし、主人公や女の子連中とかの設定・やり取り・関係などはそこそこ気に入ったので、ちょっとだけ続きを読んでみたい気はするかな。
今度は美名人・彩波の対決を機軸としたラブコメ風味に仕上げてくれると個人的には嬉しい。
まだ奨励賞受賞作品も残ってる訳だし、この作者に関しては暫く様子見ってところかな。