第1回MF文庫Jライトノベル新人賞審査員特別賞受賞作品。


魔法の存在するファンタジー世界を舞台とした、「鍵屋」のお話という目のつけどころは面白い。
独特の切り口でありながら、それを生かした上で正統派ファンタジーに仕上げている点は評価したい。
キャラ同士のやり取りは軽快でどこかコミカル。そして、緩急の付け方もしっかりしてて、特に主人公カルナの素直な感情が出ているところが良かった。
主人公の師弟関係は、実に微笑ましくて楽しい。
強烈なインパクトは無いけど、新人デビュー作としては実にまとまった一作になっている。
まあ、話の展開は素直で読み易いから、気軽に読める良質のファンタジーとして評価していいと思う。ちょっと地味だけど


ただ、今回の話のキーになる部分が複線としてキッチリと残ってしまったので、続きが出ないことには始まらない訳ですが。
まあ、こういった(魔法使いの鍵屋という)「アイディア」で書かれたような作品は、続巻でもこのアイディアを生かしきれるかどうかが難しいので、勝負はコレからでしょうね。