ゼロの使い魔〈4〉誓約の水精霊 / イラスト:兎塚エイジ / MF文庫J


アニメ化も決まっている、MF文庫の看板シリーズ4作目。


「死んだはずの愛しい王子」の登場によって女王様の心が揺れる、ただそれだけのお話。
前巻のラストで予想されたとおりの展開で意外性の欠片も無い
ただ、タバサの正体や、レキン・コスタの親玉の使う魔法の正体が判明したりと、伏線張りや設定の消化という意味では重要なキーワードが含まれていたし、アンリエッタに対してタンカをきるサイトはちょっと格好よかったかも。
しかし、相変わらず一歩退いたような距離感での心情描写で、いい意味でも悪い意味でもライトさに溢れる作品ですよね。
実に読み易い。
やっぱりライトノベルだと「読み易さ」は大きな武器だったりするんですかね。売り上げとか人気とかに関して。

ゼロの使い魔 (5) トリスタニアの休日 / イラスト:兎塚エイジ / MF文庫J


アニメ化も決まっている、MF文庫の看板シリーズ4作目。
シリーズ初の短編集ではあるものの、連作短編形式でメインストーリーに絡んでくるので番外編や外伝ではないです。


あー、やっぱり個人的にルイズに対して「ツンデレ萌え」などの感情を抱いていない私には、わがままルイズがメインの短編になるとあまり楽しめないなぁ。
「貴族特有の傲慢さやプライド」が妙に鼻につく。
ただ、アンリエッタの方は割といい感じだった。やっぱり私は「姫様」系のキャラは好きらしい。人間不信万歳
ルイズが絡まない、キュルケ・タバサの過去話や、「戦争」「内通者」絡みの話はそこそこ読めた。
相変わらず、強烈な面白さは無いんだけど、リーダビリティの高さで一気に読ませる作品だなぁ。

ゼロの使い魔〈6〉贖罪の炎赤石(ルビー) / イラスト:兎塚エイジ / MF文庫J


MF文庫の売り上げにおける、2枚看板シリーズの一角。


今回は「ルイズの里帰り」と「戦争」がメインのお話。
あー、かなり微妙かなぁ。ルイズの小姉の存在とか、先生の過去話とか色々と注目すべき点はあるんだけど、「作中で登場人物たちが生きている」という感じがせず、話を進める都合で「動かされてる」という印象。
特に先生と近衛姉さんとの絡みと決着が余りにアッサリしすぎて、何の感慨も浮かんでこなかった。もうちょっと感情を出そうよ。
他にも、戦争描写の温度が低い点が何とも。
軍の方針が基本的に「虚無」を使った力押しなためか、戦術・戦略などの駆け引きが無いので盛り上がらない。
うーん、やっぱり、この小説って基本的にキャラ小説なんだよなぁ、と実感しましたとさ。