ベン・トー サバの味噌煮290円 / 著：アサウラ / 絵：柴乃櫂人 / スーパーダッシュ文庫

ベン・トー 1 サバの味噌煮290円 (スーパーダッシュ文庫)

デビュー作、2作目ともに少女+ガンアクション、という作風だった作者＝アサウラの新境地。
素晴らしきテンションで突っ走る愛すべき馬鹿小説。

スーパーの半額弁当争奪という「狼達」の過酷な世界に入り込んだ主人公の熱き戦いの記録。
少年漫画チックな熱さで描かれた半額弁当争奪戦。
この馬鹿馬鹿しいアイディアを、ギャグで落としたりせずに、真っ直ぐに描ききったことを賞賛したい。無駄に熱かった。
随所で挿入される「マッスル刑事」などのギャグが、中々のキレの良さでいいエッセンスになっていた。
コメディ要素が一切無かった前作、前々作からは予想出来なかった形の新作だったけど、この作者はこっち方面の方が向いてるんじゃあるまいか。
「半額弁当争奪戦」というキーワードに反応した人なら買って損は無いかもね。楽しかった。
幾つかの伏線が残ったまま終わっているだけに、2巻の発売を期待したいところです。