影≒光 シャドウ・ライト / イラスト:植田亮 / スーパーダッシュ文庫


第4回スーパーダッシュ小説新人賞佳作受賞作。


落ちこぼれだった主人公が1年ぶりに帰ってきて父親に挑戦するところから始まる、街の人々を巻き込む大事件の話。
典型的な現代バトルファンジー
設定や世界観などに新鮮味は無いけど、テンポ良く進むので王道的な話としてそれなりに読めるし、シスコン・ブラコンな登場人物の造形が楽しい。
最初の自信満々なDQNっぽい弟君は好きでもなかったけど、中盤以降の見た目に反して真面目で優しい(甘い)面が見えるところは割と好きかもね。
話の中身は、主人公のボンミスから発生する人死が予想外に大規模で、意外にハードだった。
全体としては構成としては良くまとまっているし、抑制が効いた話に仕上がっているものの、ブラコン・シスコンな主人公姉弟の造形以外はパンチが足りない。
新人としての勢いには欠けるものの、ライトノベルらしいライトノベルに仕上がっているので、ライトノベル好きには取っ付き易いかもね。その辺の潔さは嫌いじゃないですよ。