吉永さん家のガーゴイル4 / イラスト:日向悠二  / ファミ通文庫

アニメ化もしてる、人気シリーズの4作目。


和巳・双葉・ガー君で、錬金術師のお姉さんの過去を疑似体験する話。
ガー君が誕生した頃の時代の話だけど、「女性の権利が弱かった」時代ということや食べ物のことなど、歴史考証的な部分が思ったよりちゃんとしてて楽しかった。
でも、錬金術師のお姉さんの天才っぷりには、ちょっとウンザリかなぁ。
錬金術が、仮にも「学問」や「技術」として確立しているものとして扱うなら、門前の小僧の思いつきで問題を解決するって言う展開はどうなんだろうか。「思いつきました」って何だよそれ。
改めて、この作品の「錬金術」が、いかに悪い意味での「魔法的なもの」であるかを実感させられて苦笑モノですよ。万能すぎで、理論がアバウトすぎる。
その他、ストーリーやキャラクターに関しては相変わらず安定したクオリティで楽しめた。
とりあえず、田口さんにとっての宮沢賢治のイメージがやたらとワイルドなことだけは分かりましたよ。


ところで、この作品に3人の錬金術師が出てくるわけなんだけど、1巻の時に「日本の錬金術師は2人」みたいなこと言ってなかったっけ?
二人しかいないから「日本の駄目な方の錬金術師」が東宮祖父のことだって。
コレってシリーズものに付き物の、設定の整合ミスなんですかね?
それとも、「世界的に知られた日本の錬金術師」が二人ってことなんでしょうか。それなら、有名になる前に3人目の人が死んでしまったという解釈も成り立つんですが。
うーん、内容よりもむしろ、そのことが気になってしまったよ。