座敷童にできるコト (電撃文庫)

座敷童にできるコト (電撃文庫)


第11回電撃小説大賞大賞受賞者による新作。
受賞作以外では初めての作品。


読んだ印象。中途半端
ラブっていないし、コメディに特化してる訳でもない、「家族」とかホームドラマ系の暖かさがある訳でもない、戦闘シーンもあるけど盛り上がっていない。
一部の登場人物だけは、電波3人組を中心にキャラが立っているとは思うけど、それ以外の部分で特別語るべきものが無い。
そもそも、こういう「人より不幸」という以外に何の特徴も無い主人公って個人的に好きじゃない。
ヌルイギャルゲーやハーレム系作品にいそうな主人公だけど、そういう話でも無いんだからもうちょっと特技とか秘密とかあってもいいんじゃないか?
全編を通して、主人公に存在感が無い。悩んでいる描写はされてるけど、なんだかすげー薄っぺらい。
「敵」に追い詰められていると言うシチュエーション自体は好きなんだけど、「世界の運命」が掛かっている癖に、このスケールの小ささは何なんだろうか
途中の「犯人当て」みたいな部分は嫌いじゃなかっただけに、もうちょっと論理的に話を進めてくれればよかったのになぁ。


まあ、こじんまりとはまとまってると思うけど、それだけ。
何か「ルカ」の時も思ったことだけど、「世界の運命」「世界に取って重要な案件」を取り扱ってる割にスケールが小さいんだよな。
「ルカ」の時は、「世界にとっての最後の希望」とは思えないアットホーム感やギャップが面白かったけど、今回に限っては単なるスケールの小ささしか感じない。
もう、下手に「座敷童」の戦いとか組み込むよりは、単なる学園コメディに走った方が良かった気がするなぁ。
しかし、盛り上がりに欠ける作品を書く作者だなと思った。
次巻が出たとしてもどうしようかな……買うかどうか。