TAKE FIVE / イラスト:野中 友

TAKE FIVE (電撃文庫)

TAKE FIVE (電撃文庫)


あらすじでライトミステリーを名乗っておきながら、実際の中身はファンタジーという「看板に偽りアリ」を地でいった「桜色BUMP」の作者による新作。


中身は異次元人の起こした厄介事を5人の少年少女が解決するお話。
やたらと淡々として主要人物が冷めまくってた「桜色」に比べて、今回は性格が様々な登場人物が揃っているのでそれだけで前作よりも好印象。
ストーリーや設定は特に優れてる訳ではないが、会話のテンポとキャラ造形はそこそこ。
特に東風原灯奈の性格が個人的には好き。リーダーと東風原の漫才のような掛け合いが楽しかった。「富士山」には笑った
ただし、話自体は捻りもインパクトも足りず素直すぎ、さほど面白いものじゃない
主人公五人組にそれぞれ見せ場が作ってあるなど、堅実な構成だけは評価しますけどね。
しかし、中盤から後半にかけて「どこでも寝る」「最強妹」という設定が全然生かせて無かったのは、やっぱり登場人物が多すぎたのかなぁ。まあ短編とかの方が生かせそうな設定ではある。


イラストに関しては、同人誌の時から思ってたこととしては、ちょっと柄トーンが気になる。
デジタルで作業してるからかは分かりませんが、全体的に網点が大きいのでトーン自体が自己主張してしまってる気がする。
もうちょっと網点が細かい方がトーンが目に付かなくて個人的には好きかな(偉そうだな)