ANGEL+DIVE 2. REUNION / 著:十文字青 / 絵:青稀シン / 一迅社文庫

ANGEL+DIVE (2) .REUNION (一迅社文庫)

ANGEL+DIVE (2) .REUNION (一迅社文庫)


創刊4ヶ月目の新刊3冊。その中の1/3。
(この書き出しがフォーマットになってきたなぁ)
一迅社文庫初の2巻目が出たシリーズになりましたね。


トワコを見つけ出した後に訪れた日常の中の緩やかな変化、新たな局面への前触れ。
うん、今巻は結構面白かった。楽しめた。
1巻では余りに「無色」過ぎて好きになれなかった主人公の、人間らしいリアクションと変化に好感が持てる。
全編を通して静かで穏やかなトーンで、前巻の事件と解決を経て「変わってしまったもの」「変わりゆくもの」が描かれる。
「変化」を怖がる者、「変化」に戸惑う者、「変化」していかざるを得ない者、「変化」に疎外感を感じる者、様々な「変化」がテーマとしてまだ未熟な少年・少女の内面が浮かび上がってくる
この心情描写は素晴らしいね。
ただ主人公の男友達という新キャラは投入されたものの、まだまだ本筋が見えない段階なので、物語性では評価しにくいかな。
今巻に関しては青春小説としては良く出来てました。


うーん、やっぱり1巻が合わなかった最大の理由は「主人公が好きになれなかった」ことだったんだよねぇ(上でも書いたように、「無色」過ぎて「人間臭さ」に欠けてるところが共感できなくて嫌だった)
こういう派手さに欠ける内面描写寄りの作品で、心理描写の比重が高い主人公を気に食わないでは、そりゃあ素直に楽しめないよね……
2巻の主人公は、緩やかな「変化」の中で少年らしさが出てきて、ちょっと好感度上がった。