灼熱のエスクード / 著：貴子潤一郎 / 絵：ともぞ / 富士見ファンタジア文庫

灼熱のエスクード―MATERIAL GIRL (富士見ファンタジア文庫)

エスクードシリーズの長編としては約2年ぶりくらいの新刊かな？
作者曰く「仕切りなおし」の1冊で、煉獄から灼熱にタイトルが代わってます。シャナは関係ない。多分。

重要な情報を持つ魔術師の身柄を確保するために、魔族が主催するオークションに乗り込む話。
勢力間、種族間の対立関係がゴチャゴチャして分かり辛い。
魔族の人間に対するスタンスがチグハグ過ぎて、どうも釈然としないモヤモヤガ残る。
更に主人公の実力が中途半端過ぎて、未だに主人公としての存在感に欠けるのが辛い。
「仕切りなおし」という割には、まったく仕切り直した感じがしないのも拍子抜け。新しいレディ・キイの存在が仄めかされたくらいが注目点かな？
しかし、帯とかで世間的にはやたらとプッシュされてる作品だけど、1巻の頃から「文章や構成力は端正だけど、まったく垢抜けなくて一皮向けない作品」という印象は拭えないなぁ。

正直、貴子さんには短編集か1冊読み切り作品の方を書いて欲しいものです。