あんでっど★ばにすた！ / イラスト：かなたろう / 電撃文庫

あんでっど★ばにすた! (電撃文庫)

鈴木鈴さんの新シリーズ。絵師・片瀬さんとのコンビじゃないのは初めてか？
……しかし、新シリーズってことはサンダー・ガールは打ち切り？
まあ、売れてなかったっぽいし仕方ないとは思うが、一応読んでいたシリーズなのでちょっとだけ残念。

五法使いの少年がシスター服少女に、とある窃盗事件の操作協力を求められるところから始まる物語。
あーうん、つまらなかった。
どこが悪いって言う訳ではなく、どこも面白いと思えなかったというのが正確か。
設定、キャラ、ストーリー、どれを取っても特筆するようなものまったく無く、物語としての魅力がまったく無い。
「五法」という設定は、作中でも触れているように五種類の違いがピンと来ないし、いまいち魅力に欠ける。
ストーリーラインも惹きこむようなものは無く、最後のオチも含めて都合が良すぎる印象を受ける。
うーん、人の良い主人公、主人公ラブな幼馴染などのキャラ設定は嫌いじゃないんだけど、キャラクター造形にもいまいち新鮮味が無い。
回想パートのグロシーンが鈴木さんらしくてちょっといい感じだとは思ったけど、それ以外は全体的にスプラッタ要素低めでちょっと残念。
サンダーガールが大人しかったから今回はスプラッタ路線に回帰するのかと思っていたから、それも無くて結構残念。
スプラッタの無い鈴木鈴作品はいまいち特徴に欠ける、というアレな仮定を証明してしまった感じ。

しかし、今回のイラストはかなり外れかなぁ。
コミティアとかで見たことのある絵師さんだけど、この作品でシリアスシーンを描くには絵のタッチ・雰囲気が合わな過ぎる。絵と話の親和性が低い。
元々小奇麗な絵を描く人じゃないけど、ちょっと荒々しさだけが目に付いてしまい、全体的にこのイラストはキツイ。
それと、明らかに売れ線から外れた絵なのでセールスにも直結するのは確実。
話の特徴の無さといい、このイラストといい、このシリーズが途中で打ち切られることは最早確信に近いですわ。