桜乃きらほの魔法医カルテ / イラスト:裕龍ながれ / MF文庫J

桜乃きらほの魔法医カルテ (MF文庫J)

桜乃きらほの魔法医カルテ (MF文庫J)


魔法の鍵師を主人公にした個性的な作品「魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険」シリーズを、デビュー作ながら安定したクオリティで書き上げた月見さんの新シリーズ。
一体いつ読んだんだっけか?、と自分でも今更と思うタイミングで感想を書く。
2巻が出てから感想を書くってどうなのさ。


耳が生えてしまう奇病に罹った桜乃きらほが、特殊な病気を専門とする魔法医の助手をすることになる話。
前作同様、主人公である少女の一人称という構成。
やっぱりこの作者さんは、年相応の等身大の女の子を書くのが地味に上手いのかもしれない。
ナチュラルな造形で、すんなり入ってくる少女の姿は、何だかホッとできる味わいがある。
「鍵師」に比べると「医者」はそこまで珍しくない題材だけど、それなりに設定はちゃんとしてるし、無難にまとまっている。
微笑ましいナチュラル造形主人公で、独特な設定の物語を安定して纏め上げる、という前作の印象から大きく外れない作品でした。
「おもしれー」とは思わないけど、「あーうん、ちゃんと読めるね。そこそこ楽しいね」と言った感じ。
まあ、安心して読める作品ではありましたよ。