初恋セクスアリス / イラスト:桐野霞 / 富士見ミステリー文庫

初恋セクスアリス (富士見ミステリー文庫)

初恋セクスアリス (富士見ミステリー文庫)


富士ミス企画「初体験Project」第二弾4作品中の1作。
新人作家・矢野有花のデビュー作。


母親が入院するため、夏休みを曾祖母の住む島で過ごすことになった少女の恋と過去の柵の話。
あー、何というか、キャラが大体出揃った時点で、大方の展開・キャラ同士のやり取りが想像ついてしまう余りに陳腐なストーリーとキャラ造形は何とかならないものか。
漠然と想像してた「こうなるかなぁ」というストーリー予測が、自分でも驚くほどの精度で当たっていく様はある脱力ものでしたよ。それも私の予測が優れてるのではなく、「ベタベタで使い古された展開そのまま」という捻りの無いストーリーラインが原因。
ここまでオリジナリティも、新しさもない小説は久々に読みました。
それを一概にバッサリ否定しようとは思いませんが、さすがにここまで陳腐だと苦笑いしか浮かんでこねぇ。
凡作を超えた超凡作と言える小説でした。
まあ、その代わりに破壊力のある地雷にも成りきれてない訳ですが。


あー、でも、今回の「初体験Project」8作品の中では唯一、具体的な「初体験」が絡んでくる作品だったので、その点だけは「企画名を完全に看板倒れにしなかった」ということで評価してもいいかもね。
まあ、そもそも企画名に脈絡が無さ過ぎるんですけどね……どうせインパクト勝負だったんだろうけど。